結論:引越しで介護保険はどうする?
  • 65歳以上の人:今の役所で被保険者証を返し、新しい役所で新しい被保険者証をもらう
  • 要介護・要支援の認定を受けている人:今の役所で「受給資格証明書」をもらい、転入日から14日以内に新しい役所へ出す → 審査なしで認定を引き継げる(原則6か月間)
  • 14日を過ぎると、認定は引き継げず新しく申請し直しになる
  • 特別養護老人ホームなどの施設に入って住所を移すときは、前の市区町村の介護保険のまま(住所地特例)

介護保険は、住んでいる市区町村ごとの制度です。65歳以上の人が別の市区町村へ引越すと、介護保険も新しい市区町村に切りかわります。

とくに注意したいのが、要介護・要支援の認定を受けている人です。期限内に手続きをすれば、今の認定をそのまま引き継げますが、遅れると認定の申請をやり直すことになります。親の引越しや、親を呼び寄せるときに確認しておきましょう。

※取り扱いは自治体によって少しずつ違います。この記事では、東京都板橋区・中央区の公式案内を例にしています。

要介護認定を引き継ぐ流れの図。引越し前:今の役所で被保険者証を返し、要介護・要支援の人は受給資格証明書をもらう。引越し(転入日):ここから14日を数える。転入届を出したら続けて介護保険の窓口へ。転入日から14日以内:新しい役所で受給資格証明書を出すと、審査なしで認定を引き継げる(原則6か月間)。14日を過ぎると、認定は新しく申請し直しになる

あなたはどれ?介護保険の手続き早見表

状況今の役所で新しい役所で
65歳以上で、認定を受けていない被保険者証を返す転入の手続きのときに、新しい被保険者証をもらう
要介護・要支援の認定を受けている被保険者証を返し、受給資格証明書をもらう転入日から14日以内に受給資格証明書を出して申請
施設に入って、施設の住所に移す住所地特例の届出をする前の市区町村の介護保険のまま

(板橋区・中央区の案内より)

引越し前:今の役所でやること

別の市区町村へ引越すときは、転出の手続きのあとに、介護保険の窓口でも手続きをします(中央区)。

認定やること
受けていない被保険者証を返す
受けている(要介護・要支援)被保険者証を返し、受給資格証明書を受け取る

受給資格証明書は、今の市区町村で受けている認定の内容を、新しい市区町村に伝えるための書類です。なくさないように、引越しの荷物とは別に保管しておきましょう。

転出届については転出届のオンライン申請のやり方にまとめています。オンラインで転出届を出す人も、介護保険の窓口の手続きが別に必要かどうか、今の市区町村に確認しておきましょう。

引越し後:14日以内に認定を引き継ぐ

認定を受けている人

新しい市区町村で、転入日から14日以内に、受給資格証明書を出して申請します。

中央区は、期限内に申請すれば「介護認定審査会の審査・判定を経ずに」転入前の認定内容が引き継がれると案内しています。板橋区は、前の認定結果が原則6か月間引き継がれるとしています。

14日を過ぎると、引き継ぎはできない

中央区は、14日を過ぎると引き継ぎはできず「新規申請」になると案内しています。新しく申請すると、認定調査や審査があるため、結果が出るまで時間がかかります。転入届と同じ日に介護保険の窓口にも行きましょう。

受給資格証明書をもらい忘れた場合は、板橋区では、転入の手続きのときに前の市区町村で認定を受けていたことを申し出るよう案内しています。気づいた時点で、すぐ新しい役所に相談しましょう。

申請のあとは、板橋区の場合、窓口で資格者証が交付され、後日、被保険者証と認定結果の通知が送られてきます。

認定を受けていない人

65歳以上で認定を受けていない人は、転入の手続きのときに、新しい被保険者証が交付されます(板橋区)。

転入届については転入届の期限と必要なものにまとめています。

介護保険料はどうなる?

介護保険料も、引越しで新しい市区町村に切りかわります。中央区の案内では次のとおりです。

内容
前の市区町村資格がなくなるのは転出日の翌日。保険料は、その前月分まで
新しい市区町村資格を得るのは住民登録をした日。保険料は、その月の分から
払い方引越し後しばらくは、納付書か口座振替で払う(年金からの天引きは、翌年度以降に切りかわる予定)

引越しのあとも、前の市区町村での年金からの天引きが続くことがあります。払いすぎた分は、あとで還付されます(中央区)。天引きが続いているときは、前の市区町村に問い合わせましょう。

施設に入るときは「住所地特例」に注意

特別養護老人ホームなどの施設に入って、住民票を施設の住所に移す場合は、原則として前の市区町村の介護保険のままになります。これを「住所地特例」といいます(板橋区・中央区)。

板橋区が対象としている施設の例です。

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設
  • 有料老人ホーム
  • 軽費老人ホーム(ケアハウス)
  • 養護老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅(介護・食事の提供などをしている場合)

グループホームなど地域密着型の施設は対象外です(板橋区)。住所地特例に当てはまる場合は、施設に移る前の市区町村に届出をして、保険料もそのまま前の市区町村に払います(中央区)。

1日にまとめるコツ

平日の昼間しか開いていない窓口もあるので、引越し先では、次の手続きを同じ日にまとめると、14日の期限を過ぎる心配がありません。

  1. 転入届
  2. マイナンバーカードの住所変更
  3. 介護保険(受給資格証明書の提出)
  4. 国民健康保険や後期高齢者医療制度の手続き(入っている人)

国民健康保険については引越しの国民健康保険の手続き、窓口を1日にまとめる工夫は平日に休めない人の引越し手続きにまとめています。

よくある質問

家族が代わりに手続きできる?

自治体によって必要なもの(委任状など)が違います。本人が窓口に行くのがむずかしい場合は、事前に新しい市区町村の介護保険の窓口に、代理で手続きできるか確認しておきましょう。

今使っている介護サービスは、引越し先でも使える?

認定を引き継いでも、サービスを提供する事業所やケアマネジャーは、引越し先で決め直す必要があることもあります。引越しが決まったら、今のケアマネジャーや、引越し先の地域包括支援センターに早めに相談しておくと安心です。

同じ市区町村の中で引越すときは?

中央区は、区内で転居したときも被保険者証を返すよう案内しています(新しい住所の被保険者証に切りかわります)。転居届を出すときに、介護保険の窓口での手続きが必要か確認しましょう。

まとめ

  • 介護保険は市区町村ごと。65歳以上の人が別の市区町村へ引越すと、被保険者証が新しくなる
  • 認定を受けている人は、今の役所で受給資格証明書をもらう
  • 転入日から14日以内に出せば、審査なしで認定を引き継げる(原則6か月間)。過ぎると新規申請
  • 保険料は、転出日の翌日で前の市区町村が終わり、新しい市区町村は住民登録をした月から
  • 特別養護老人ホームなどの施設に移るときは、住所地特例で前の市区町村の介護保険のまま

あなたの引越し日での期限は、診断を使うと、ほかの手続きとまとめて日付つきで確認できます。

あわせて読みたい

介護保険と同じころにやる手続きです。

参考:板橋区「介護保険 転出・転入時の手続き」/中央区「介護保険の転入・転出の手続き・保険料」/中央区「65歳以上の方が転出します(介護保険の資格がある方)」